兜町の当たり屋として名を馳せる 北浜流一郎先生の株式コラム
第 99 回 2010年05月27日東京市場に蘇生の兆し。
東京市場に蘇生の兆し。
外資系証券発行レポートのお蔭です。
ようやく曙光。こう言える展開になって来ました。東京市場が年初来高値をつけたのが4月5日。日経平均は11408円でした。しかし、その後は下落の一途、ついに2カ月近くも下げ続けてしまいました。
市場全体が下落に転じた場合、投資家はどの程度まで耐えられるか。我慢強い人でも2カ月が限界では。3カ月になると、我慢しているというより、諦めてしまいます。その意味では意志を強く保っていられるのは2カ月ほど。こう言ってよいでしょう。
いまはそんな心理的限界が迫っているところであり、それに合わせるように日経平均株価の水準も強力なはずだった下値支持線9500円を割り込んだばかりです。
ここまで下げると、次の支持線は9000円になりますが、幸いなことに冒頭で述べたように、かすかな曙光が見えて来ました。
東京市場を取り巻く環境に変化が訪れたわけではありません。それは相変わらず厳しいままです。ギリシャやポルトガル、スペインの財政危機とユーロ崩壊観測、さらには朝鮮半島の緊迫化、と株価の足を引っ張る材料には事欠きません。
しかし、です。5月26日は前日米国市場が下げたにもかかわらず日経平均は62.77円高となりました。そしてこの原稿を書いている27日は117.66円高。ともに市場環境の変化はない中で起きた点に注目です。
特に27日の117.66円高は意外なものでした。何が起きたのか。実はゴールドマン・サックス証券が26日発行のリポートで、米国投資家の間で日本株への関心が高まっていると指摘したのです。日本株は金融緩和政策の継続や子ども手当を含む追加経済対策の実施などにより、PBR1倍前後と市場バリュエーションが低く、関心を持つ米国投資家が多いというのです。
これは納得のいく理由であり、ゴールドマン・サックスがレポート化してくれたことで日本の国内機関投資家たちも、ようやく「そうか。日本株はもしかしたらこれから上がるのかもしれない・・」こう思い始めたところといえます。
日本は明治の黒船来航以来、「外国がこう見ている」といえば動き出す国。ゴールドマン・サックスのレポートはこの点で買いを見合わせていた日本の機関投資家たちの背中を押す働きをしたといえます。
外国人投資家が注目しているよ。こういわれなくても自ら買い出動して欲しいところですが、下落一方の展開に変化が見えて来たのはもちろん大歓迎です。
幸いほとんどの銘柄が売り込まれ、バーゲンセール状態です。このような状況では売り込まれた優良企業株や実力企業株。これらへのシフトが有利です。
で、まず注目したいのは富士重工(7270 東1 1000株)。5月18日546円の高値をつけたところまでは、他銘柄が軟調な展開になる中、堅調そのものの動きでした。しかしその後は、その他大勢銘柄と同じく急落、下値支持線の481円まで下げました。
しかしこの会社の海外での販売は好調です。今期は前期比11.9%増の63万台を想定しているほど。ところが株価は前述したように軟調であり480円~500円は魅力的なターゲットゾーンといえます。
不況であればあるほど気になるのが健康。そのため病院通いが多くなりますが、その恩恵を受けているのが日本調剤(3341 東1 10株)。全国の大病院前に調剤薬局を開設、躍進を続けています。収益も伸び続けていて、株価も高値圏にありましたが、ここに来て反落です。下値支持線である2830円で揉み合っているため、出来ることなら3000円(出来ることなら2900円)に届かないうちにシフトしておきたいものです。
最後に日本ゼオン(4205 東1 1000株)です。合成ゴム大手で、自動車用タイヤをはじめ、特にエンジン周りに使われる耐油性特殊ゴムに強いことで知られています。
不振が続いていたタイヤ用が次第に上向くとともに、特殊ゴムも好調に転じ、収益増が見込める状況となっています。株価は下値支持線の494円まで下げた直後であり、下値が固まりつつあるところ。500円に近いほど安全度が高くなります。














